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墨の寿命と価値

墨の寿命と価値




 <墨の寿命>
 墨の寿命は墨の保存場所にもよります。墨が一定の水分を保持している間は大丈夫ですが、墨の中に含まれている水分か枯渇しだした時、墨は老衰期に入り、完全に水分が枯渇した時、墨の寿命のつきた時です。手に持つと非常に軽くなっていますが、形はそのまま原形をとどめています。

このような状態になった墨は、
1)硯にて磨るとカスカスとくだけるようにおりる。

2)磨墨液が水になじまない水と墨とが分離して、書けば水だけ外側へ分離して走る。それは膠が長い年月をかけて分解したために起こる現象で、炭素はそのまま残っています。選別された良い原料に  て造られた墨は、長年月の経過により、煤煙に佗び寂びか現れ、当初、黒々としていたであろう煤煙の色も、しっとりとりとした、多少白けてはいるが落着いた色にななってきます。捨て難い色を呈しております。表具すると散  ることかあるようです。

3)墨輝、生彩がなくなっている。原材料の選別技術の良否、墨の保存場所の温度、湿度の違により、墨の寿命の尽き  る日は千差万別だろうと思います。

 良墨で寿命を長く保たせるためには、原材料の選別が第一です。墨の生命は膠の力が大きく関わってきます。膠の力の良い物ほど、墨にしてからの水分の保持は良いようです。選別された原料を製造時によく鍛錬し練り合わせ、原料の煤煙と膠の結合を良くしておくと、墨質が均一になり、墨の生地が美しく滑らかになります。墨の外面か滑らかに均等になる程、墨の表面が乾いて内部の水分の発散のスヒードを遅らせます。欠点として、新墨のときは、時として急激な湿度の変化によって表面が乾きすぎ、内部の水分のいき所がなくなるため、墨か割れることがあります。この時期は製造後、一年~三年目あたりの墨にみられます。その後、墨の内部の水分と外気の湿度との調和か保たれている問は、墨は生きつづけるわけです。墨を造る際、この墨の寿命を考え、墨色や墨質等の条件を踏まえて造ります。

 寿命のきた墨は、書くと種々無理か生じますが、拓本に使用すれば、実に得難い墨です。多少薄墨にして、何回も拓して墨を積み重ねれば、美しくすっきりした拓本か取れます。寿命のきた墨の特長である墨と水の分離する性質を利用しているため、拓面には墨のニジミは出ず、ただ水が滲んでゆくだけです。なお、紙面に叩きこんだ墨は、表具しても散ることはないようです。実に拓本にはこの墨以上のものはないようです。


 〈墨の価値〉
 墨の価値の高い低いは、油煙、松煙、膠、香料等の原料の価値だけで、評価するものではありません。墨は原料、副資材、工賃の他、墨造りの職人達と、工場の持つノウハウが墨の生命を形造っています。人問が遺伝と環境、修養により形成されるのと同じように、墨も、原料の遺伝(菜種油や動物の皮からの遺伝)と社員一同が協力して墨を理解し愛情を持って育ててゆく環境と職人の墨造りに対する姿勢と熱意により、墨に打ち込まれた、"気魂"が、墨の修養になり出来上がっていくのです。

 例えば、安い不純物の多い松煙でも、その松煙の持つ特色を練磨し、品のある力強く厚味を感じさせる墨にし、個性を持たせますと、これはこれなりに墨の価値特色が出てきます。墨の価値とは、どんな松煙、油煙でもその持つ長所、短所をよく判断し、生かして個性的に仕上げてこそ、そのものしか持っていない価値ある墨が出来上るのです。墨は手仕事です。


 〈墨の好味〉
 墨は世界中の筆記用具の中で一番番自分目身の嗜好、感情と人格を筆を通して表現出来得る唯一の用具だと思います。色々な墨を使っている間に、自然に自分の性格に合った墨色、墨質を求めるようになります。それも年を経るに従い、人間の複雑な生活環境の中て年輪を重ね、人生の深さを知るにつれ、一層好みの墨色墨質を求めるようになるかと思います。また、同じ墨でも、年を経るに従い、人の成長と同じく成長し、枯淡な味を持つように造っておかなければなりません。成長のしない墨は、捨てられる運命にあるのです。墨というものは、実に味のある筆記用具です。

資料提供:株式会社墨運堂
資料提供:書道用品通販 書道用具・筆墨硯紙の書道洛
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