FC2ブログ

油煙墨と松煙墨

油煙墨と松煙墨




 油煙墨と松煙墨はともに原料の「すす」は植物性の炭素でありますが、その"すす、の生い立ちは油煙の方は油(主に菜種油)を、松煙の方は松の木片を燃焼させて採取しますので墨の質も自ずから異なります。従来和墨では油煙墨が最高で松煙墨はその次であるということがいつの頃からか定説となっていました。これはおそらく昔は油煙の方が高く、松煙の方が安かったので、高い油煙で造った墨の方が良いとされたものと思います。実際書作上から見て墨色を考えると、むしろ松煙墨の方が重厚さがあり、年代が古くなるにつれて墨色も変化し、濃淡潤渇による墨色の変化もあって、かえって油煙墨よりおもしろいのではないかと思います。

 油煙墨も松煙墨も共に膠で固めていますので、混ぜ合わせても問題はありません。原料の性質から、普通濃度以上の場合は一般的に油煙墨の黒は反射色、松煙墨の黒は吸収色ですので、混ぜ合わすことによりその間の調子をとることができます。墨における美しさ、透明感は松煙墨が勝っておりますので、松煙墨の色調の異なるもの同士を混ぜる方が良く、油煙墨との混ぜ合わせは淡墨においては少し濁るように思います。煤の粒子は松煙墨より油煙墨の方が細かい物ですから、松煙墨に油煙墨を磨り込みますと流動性が良くなり書き易くなります。

■油煙
・油煙墨の原料は芯焚き法の為、炎の近くで煤を集める為、均一で熱が加わり焼しめた固い状態の煤となる。
・油煙は松煙に比べ粒子が小さく、焼き締められて純度が高く煤の凝集が遅い。

■松煙
・松煙墨の原料は直火焚き法の為、障子等で隔離された比較的大きな空間で空気の流通を少なくし、松材を直接不完全燃焼させるので、油煙の様に高温がかからず、小さな粒子から大きな粒子を含んだ柔らかく凝集した粒子の状態の煤となる。
・松煙は細かい粒子のみの場合赤系、少し大きな粒子が混ざり始めると茶系、さらに大き粒子が増えると紫紺系、大きな粒子になると青系となる。
・松煙は、高温がかかっていないので、細かい粒子が凝集して大きな塊になり、年月と共に青系に変化、又、松材を燃やす為、松が地中の硫黄分や雑多な物質を含んでおり、膠を変質させ膠の分解を早め、より煤の凝集を早める。
松煙墨は最初茶墨でありましても、長い年月の内に青墨化して参ります。

※木の看板に墨でお書きになる場合は必ず油煙墨をお使いになることです。油煙墨は木に浸透して長い年月風雨にさらされ木自体が痩せてきても、文字は浮き上がって残りますが、松煙墨で書きますと、風雨などにさらされ急激に青墨化し、最後には文字が剥離してしまいます。

資料提供:株式会社墨運堂
資料提供:書道用品通販 書道用具・筆墨硯紙の書道洛
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

プロフィール

shodoraku

Author:shodoraku



書道用品通販 書道用具・筆墨硯紙の書道洛へようここそ!


書道用品、水墨画用具の通販専門店! 筆墨硯紙をはじめ篆刻、写経、拓本、絵手紙・字手紙などの書道用具や書道用品から墨染め染色墨液、和紙の糸、墨屋の建築用品、熊野化粧筆等書道道具の製造技術から生まれた製品まで多数通販してます。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
ライフ
6139位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
習い事
235位
アクセスランキングを見る>>
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR