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墨造り 膠

墨造り 膠




 獣類、魚類などいろいろな動物のコラーゲンという物質を含んでいる骨、皮、腱、結合組織、うろこ、浮袋などの部分から取り出されたゼラチンを主成分とするタンパク質の類です。古来墨ニカワの最良ものとして"阿膠"がありますが、これは中国山東省で作られるロバの皮ニカワです。現在は丸薬に使用されており墨には使われていません。
膠は動物の骨、皮や筋などに水を加え煮沸して造った動物性蛋白質です。現在墨用として製造されている膠の原料はよく吟味された"ニベ"です。ニベは乾燥させた真皮の削り屑で、石灰や硫化ソーダの含まれていない中性のものを使用します。真皮は表皮の下の層で製革や膠、ゼラチンの製造に必要な部分です。主として墨用膠に使われるニベは牛、水牛、馬、などで約90%が輸入です。

〈膠の性質〉
〇水の中で高分子から低分子へ変化。加水分解による蛋白質の分解をし炭酸ガスと水になる。
〇18℃以下でゲル化、ゲル化をすると加水分解が遅くなる。
〇水溶液にすると空気中の細菌を拾い、一夜の内に爆発的に繁殖させる。夏場、気温30℃前後お湿度の高い場所での保存は、空気中の水分を吸収すると共に細菌が侵入し黴や腐敗の原因となる。
〇皮膜は硬く割れやすいが透明度が良い。塩化マグネシューム(塩分)でゲル化を抑えると共に膠の腐敗を抑える効果。墨の保存は、四季の影響の少ない土蔵の中での保存が理想。

〈膠ニカワの役目〉
■墨の形成
 ニカワはススと練ることによりススの粒子、粒子群の間に入ってよく知られているその接着性によってこれらをくっつけ合わせ、墨としてのあの形を作らせる役目があります。
■形の保持
 形を作ったものを乾燥すると、ニカワ液の中の水分はほとんどすべて除かれ元の乾いた状態に近いニカワが残ることになります。この状態になったニカワはススを強く接着して普通に見られるあの硬い墨の形を保たせる役目があります。
■炭素の分散
 墨を磨りおろす時には、その時に生ずる摩擦熱、これらに助けられることもあって、ともかくニカワがまた水にうるおされてくっつける力を緩め、ススの粒子を水の方に移して行く役目があります。
■墨液の粘度
 こうして出来た墨の液の中でススと水とが急には別々に分かれないようにしておく役目。それに伴って墨の液を一様に適当な粘さに保つ役目があります。
■墨液の暢び
 墨の液で紙や布などに書かれる場合には、ススを分散させたままで適度にのびるのを助ける役目があります。
■接着と艶
 紙面上の液からは水分が直接表面から、或いは一度紙や布などの中に入ってから間接的に蒸発しますが、その時にニカワはススを紙や布にしっかりくっつけ、同時に墨あとに適当な光沢を持たす役目をします。

 墨を造る上で、炭素粉である松煙・油煙と共に膠は重要な原料です。この膠が力のある物、(粘度・張力・接着力・ゼリー力など、適度な状態)でなければ、松煙・油煙と練り結合させて造り上げた墨には生彩・墨輝・暢び等、墨の品位が出てきません。引いては墨の寿命を短かくすることもあります。墨の三楽といわれる、見て楽しむ、使って楽しむ、古墨にして楽しむ、を完遂するためには、膠の製造は、非常に大事なことなのです。
このようなニカワの役目を科学の方ではコロイド科学的性質といいますが、このコロイドというのはギリシャ語のニカワという語から発していると言われています。

資料提供:株式会社墨運堂
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